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·検証·8 min read

個人開発のニッチ市場探索—試した3手法と「判断できなかった」理由

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個人開発のニッチ市場探索—試した3手法と「判断できなかった」理由

「ニッチを探せ」は分かるが、どうやって探せばいいのか分からない

「個人開発のアイデアを見つけたい」「ニッチな市場に絞って作りたい」と思って調べると、だいたい次のどれかに当たる。

  • 「市場規模を調べろ」「コミュニティを見ろ」という一般論
  • Googleトレンドのスクショ付き「ツールの使い方解説」
  • 「ニッチが大事」という結論だけ

何を試して、何を捨てたかの話が少ない。この記事はその部分を補うためのメモだ。

筆者も最初は「誰でも使えるツール」を作ろうとして失敗しました。ターゲットを絞って「個人開発者向け」に特化してからようやく手応えを感じ始めています。ニッチを探す作業は、実際に手を動かしてみると「良さそう」「無理そう」の判断が思ったより難しかった。


なぜ「ニッチ」を狙うと有利なのか

汎用ツールは多くの人をそこそこ満足させることを目指す。ニッチツールは特定の人を強く満足させることに集中できる。

個人開発がリソース勝負で大企業に勝てないなら、土俵を変えるしかない。大手プロダクトが苦手にしている「特定の状況での特定の問題」に集中することで、小さな開発リソースでも勝負できる領域がある。


試した3つのアプローチと、それぞれの限界

アプローチ1:「巨人が嫌われている部分」を突く

大手プロダクトには必ずユーザーの不満がある。その不満だけを解決するツールがニッチSaaSの王道パターンだ。

事例: Plausible Analytics

Google Analyticsは圧倒的だが「プライバシーが心配」「UIが複雑すぎる」という不満がある。Plausible Analyticsはこの2点だけに集中し、小さなチームで成長しているSaaSの代表例だ。

機能はGoogle Analyticsの1/10以下。でも「プライバシー重視」という1軸で明確に勝っている。

実践方法:

  1. 自分が使っている大手ツールのレビュー(G2, Capterra)で★1〜2を読む
  2. 不満を「頻度」と「深刻度」でスコアリング
  3. スコア上位の不満だけを解決するプロダクトを構想する

限界: レビューを読むだけでは「本当に払う人がいるか」は分からない。「不満を持っている」と「代替に金を出す」は別問題だった。

アプローチ2:「検索されているけど良い答えがない」を探す

検索ボリュームがあるのに、満足できるツールやサービスがないキーワード。これがニッチ市場の候補になる。

使うツール:

ツール用途費用
Google Trends検索トレンドの推移・比較無料
ラッコキーワード日本語サジェストKW取得無料
UbersuggestKWボリューム・CPC・競合度無料枠あり
AhrefsKW難易度分析$99/月〜

ポイント: CPCが高い=お金を払う人がいる

検索ボリュームだけでなく、CPC(クリック単価)を確認する。CPCが高いキーワードは、その周辺で広告を出してでも集客したい事業者がいるということ。つまり、お金が動く市場のシグナルになる。

限界: CPCは「広告主が払う額」であって「個人ユーザーが払う額」ではない。BtoBとBtoCで文脈が変わるので、CPCだけで判断すると外れることがある。

アプローチ3:コミュニティで「欲しい」を拾う

Reddit、IndieHackers、X(Twitter)で次のフレーズを検索する。

  • "I wish there was..."
  • "I'd pay for..."
  • "〜が欲しい"
  • "〜が不便"

実践方法:

  1. Reddit/IndieHackersで上記フレーズを検索
  2. Upvoteが多い投稿=共感している人が多い
  3. その課題に対する既存ツールを調べる
  4. 既存ツールがない、または不十分なら市場がある

限界: Upvoteは「共感」であって「購入意志」ではない。無料ツールを求めているケースも多く、有料SaaSの需要とはズレることがある。


市場規模を評価する:TAM/SAM/SOMフレームワーク

マーケティング用語にTAM(総市場規模)/SAM(対応可能市場)/SOM(獲得可能市場)があります。

個人開発者にとって重要なのはSOMだけ

レベル意味個人開発の目安
TAM市場全体気にしなくていい
SAM自分が対応できる範囲参考程度
SOM実際に獲得できる顧客月10〜50万円分あれば十分

「市場規模1兆円」に惑わされない。個人開発で必要なのは月100人の有料ユーザーだけかもしれない。


日本市場ならではのチャンス

日本語という言語障壁は、個人開発者にとって**天然のMoat(堀)**になる。

  • 英語圏で成功しているツールの「日本語版」を作る
  • 日本の商習慣に特化する(請求書、確定申告、インボイス制度等)
  • 日本語サポートを提供する(海外SaaSの弱点)

具体例: Notionは日本でも人気だが、日本の企業文化に合わない部分がある。そこだけを解決するツールは成立しうる。


今日やること(3つ以内)

  1. 今使っているツール3つのレビューサイトを開き、低評価レビューを20件読む
  2. ラッコキーワードで「〜 ツール」「〜 代替」と検索し、サジェストを確認する
  3. 見つけた不満を「頻度×深刻度×支払意思」の3軸でスコアリングする

市場を見つけてからプロダクトを作る。この順番を守るだけで、「作ったけど誰も使わない」のリスクは下がる。


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